今日は、個人事業主として、
開業したばかりの人に向けた話です。
開業直後って、やることが一気に増えますよね。
仕事の準備、営業、環境づくり。
その流れで、まず開業届を出す。
ここまでは、多くの人がちゃんとやっています。
もちろん、開業届は出さなきゃいけない。
これは前提です。
ただ、実務の現場で見ていると、
「開業届を出した=ひと段落」
と思ってしまう人が意外と多い。
でも実は、本当に差がつくのはその後です。
開業届よりも、あとから効いてくるものがある
正直に言うと、開業届そのものは、
出し忘れたからといって
すぐに罰則があるわけではありません。
実務上、
「開業届を出していなかったせいで大損した」
というケースはそこまで多くない。
一方で、出し忘れると、
その年はもう取り返しがつかない届出が、
開業後すぐに出てきます。
税務の世界は、「あとでやります」が効かない。
期限を過ぎた瞬間に、
選択肢そのものが消える仕組みです。
目安は、基本は開業から2ヶ月以内。
この期間の動き方で、
初年度のラクさがかなり変わります。
個人事業主がまず意識してほしいのは、この3つ
開業後、最低限意識してほしいのは次の3つです。
青色申告。
家族と一緒に事業をする場合の給与。
そして消費税。
状況によっては他にも届出はありますが、
今日は
「抜けると結果的に損になりやすいところ」
に絞ります。
青色申告は、事業の前提になるもの
まず一番大事なのが、青色申告です。
青色申告というのは、
きちんと帳簿をつける代わりに、
税務上の優遇を受けられる制度。
個人事業主の場合、
実務的には「青色を前提」で考えるべきです。
これを使うために必要なのが、
青色申告承認申請書。
期限は、
原則としてその年の3月15日まで
(または開業から2ヶ月以内)。
ここを逃すと、その年は青色が使えません。
あとから取り戻せないポイントです。
青色申告のメリットとしてよく知られているのが、
最大65万円の所得控除。
要件を満たせば、
2027年以降は最大75万円になる見込みです。
これは「税金が65万円安くなる」
という意味ではなく、
税金を計算する前の利益を減らせる枠がある、
という話。
実際に減る税額は税率次第ですが、
この枠があるかどうかで初年度の差は大きい。
さらに、赤字の繰越や少額資産の扱いなど、
事業を続ける前提として有利なルールが
まとめて使える。
青色申告は、節税テクというより土台です。
家族と一緒に事業をして、家族に給料を払う場合
次に多いのが、家族の話です。
個人事業主の場合、
家族と一緒に事業をして、
その家族に給料を払うケースもあります。
このときに使うのが、青色専従者給与。
家族に払った給与を経費とする仕組みのことです。
大事なのは実態として、
その家族が事業に専ら従事していること。
形式だけでは使えません。
そして、この制度を使うためには、
青色専従者給与に関する届出が必要です。
期限は、
原則としてその年の3月15日まで
(または開業から2ヶ月以内)。
青色申告と、ほぼ同じタイミングです。
届出を出さないと、税金が増える
この届出を出していないと、
家族に給料を払っていても、
その給料は経費になりません。
お金は出ていっているのに、経費にならない。
結果として利益が多く見えて、税金が増えます。
例えば、月15万円を家族に払っていたら
年間180万円。
この180万円が経費にならず、
その分に税金がかかる。
これは「節税できなかった」ではなく、
本来払わなくてよかった税金を
払っている状態です。
消費税の免税は「払わなくていい」という意味
最後に消費税です。
免税事業者というのは、
消費税を国に納めなくていい人のこと。
多くの個人事業主は、
開業初年度は免税からスタートします。
ただ、取引先との関係やインボイスの都合で、
初年度から課税事業者を選ぶ人も
珍しくありません。
その場合に大事なのが、
どの計算方法で消費税を計算するか。
同じ課税事業者でも、
選択次第で納める消費税は変わります。
設備投資が大きい場合は、
還付が絡むこともあります。
ここは制度を覚えるより、
「一度、有利不利を整理した方がいいかも」
と気づくことが大事です。
最後に
個人事業主の開業初年度で大切なのは、
派手な節税テクニックではありません。
期限を守ること。
出すべき届出を出すこと。
結果として税金が増える状態を避けること。
これだけで、あとがかなりラクになります。
開業届を出して終わり、ではありません。
本当に差がつくのは、その後の2ヶ月。
この感覚だけ、頭の片隅に残っていれば十分です。
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